情報過多時代のマーケティング

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2005年から約9年間で,日本の情報流通量は9.3倍に膨れ上がっていることについて以前に触れたが,さらに遡った1994年からの比較だと更にその倍数は大きくなる。

こういった「情報過多時代」においてては,企業のマーケティングメッセージをターゲットに届けることが難しくなっており,同時に「コミュニケーション戦略」が重要になっていることを示している。

インターネットが登場する前は,テレビ,ラジオ,新聞,雑誌の「4マス」と呼ばれるマスメディアしかマーケティングメッセージを伝える手段はなかった。しかし,現在は「メディア」が多様化し無数の手段が存在する。

一方,人間の情報処理能力は変わっておらず,「1日は24時間」も変わらないので,自社のマーケティングメッセージをターゲットの脳に「残す」のは至難の技となっていて,「戦略」でターゲットを意図的に「コントロール」することなど,不可能になっている。

こういった話は,10年位前に広告業界,それも広告代理店を中心にした広告サービスの提供者が「新しいマーケティング手段」を売るために積極的に行っていた。最近はもう「既知の事実」として定着したのか,あまりこういった話は耳にしなくなった。

今回サービスを市場に導入させるにあたり,当然上記を前提に仕掛けをしてるが,考慮している点は

  • ターゲットを出来るだけ「狭く」する
  • マインドフルネス業界で「一気に」メジャーを取る仕掛けをする
  • 「実績」で伝えていく

の3点だ。

この3点を実現するための最適な手法の「組合せ」を行っていく。メッセージを伝えるには「ネタ作り」としての「準備」がすべてで,あとは単純に「広告」や「PR」という「やり方」を選択するのではなく,メディアを「選ぶ」だけだ。当然CGM(Consumer Generated Media)も選択肢の一つである。

これが「コミュニケーション戦略」だ。

単純に「広告」だ,「PR」だとかいう「手法」だけに頼っても効果が出る時代ではない。「効果」とは純粋に「売上げ」という認識でいるので,「シェア・オブ・ボイス」とかPR的な「広告換算」の指標も全く意味がないと思っている。

露出量は単に「ゴミ情報」の母数を増やしているに過ぎず,そこで投資効果を判断すること自体「時代錯誤」である。露出量はKPIにはなり得ない。

マーケティングビジネスに生きて20年。時代にあった「考え方」と「行動」を自ら考え,進めていく。

マインドの革新で,自己革新を。

 

マインドフルネス事業への道 7:エン・ジャパンからのメール

VR FREEKの取材の後は,完全に休戦モードに入ってしまったがいろいろと「面倒な」人々との整理も同時に行わなければならなかった。これが精神的にはかなり堪えた。

途中から入ってきて他人の腹を探りながら,陰で裏取りしながら物事を進める人。

こちらは頼んでもいないのに,勝手に動いたことを恩着せがましくこちらに押し付ける人。

約束したことをいとも簡単に「テイストが合わないから」と破る人。

時間ばかり掛けて,全く物事を決めない人。

この数ヶ月という短期間で,人生の中で「most 残念な人々」に遭遇した。資金的な逼迫が元で「自分が呼び寄せた」と思うので,ある意味自業自得であるが,その整理には多大な労力が必要だった。

そんな中,モーニングピッチに出席していたエン・ジャパンの鈴木さんという方からウェブサイトの問い合わせにメールが突然来た。

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メッセージ: 吉田様

お世話になります。
エン・ジャパンイノベーションラボ室長の鈴木と申します。

モーニングピッチにてプレゼンテーションを聞かせていただき、ご連絡差し上げました。

イノベーションラボは新規事業の開発や投資をしている部署であり、
その一つとして従業員向けの健康支援事業の検討を行っております。

御社のVRによる瞑想などメンタルヘルスケアの領域にも興味がありますので、
一度お話させて頂けないでしょうか?

どうぞ宜しくお願いいたします。

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このメールが運命を変えることになった。

マインドの革新で,自己革新を。

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マインドフルネス事業への道 6:VR FREEK Vol.0

資金の目処が遠のき,嫁からの「バイトでも何でもやって欲しい」とのプレッシャーも日々増加し,就職探しも始めなければ家にも居られないような状況となった。

そんな中モーニングピッチの翌日1月22日,「VR FREEK」という雑誌の編集の方から取材の依頼が来た。

2015年12月16日に出した藤田保健衛生大学とのプレスリリースを見て,とのことで正直もう先が見えないこともあり,お断りしようと思ったが,創刊号ということで取材先にお困りの様子だったのと自分で「最後の仕事」とけじめをつける意味でお受けすることにした。

大手がVRに参入をした現在,この雑誌に載っているプレーヤーはまさに「イノベーター」としてVR業界の創出に動いていた人々,企業である。この雑誌に足跡を残すことが出来たことは,自分が「手を抜かず,懸命にやった」証拠として,自分の心の中に残っている。

うまくは行かなかったが,「手を抜かなかった」ことが今に繋がった。

これは大きな学びだった。

マインドの革新で,自己革新を。

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VR情報専門誌『VRFREEK』Vol.0

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マインドフルネス事業への道 5:資金調達の壁

2015年12月。ちょうど去年の今頃,いよいよ尻に火がつき始めてきた。サムスン,小さい広告代理店オーナー,500 Startupなどに資金調達のお願いへの訪問を重ねた。元SAPジャパン代表の中根滋氏も広告代理店のオーナーからのご紹介でお願いをした。

一番可能性が高かったのは広告代理店のオーナー。これまで様々な出資を本業とは関係ない領域で行ってきていた。この会社の出身者で以前からVR関わってきた方も当時VR瞑想ビジネスをサポートしてくれていたこともあり,ここからの出資見込みは「行ける」と感じていた。他は様々な理由で,短期的な調達は難しかった。

年が明けた2016年1月21日(木)。この日は思い返すと「運命の日」だった。早朝7時からは,沼倉さんからご紹介いただいたトーマツベンチャーサポートの「モーニングピッチ」でのプレゼン。その後16時から広告代理店のオーナーへのプレゼン。

広告代理店のオーナーには,5,000万円の出資をお願いしたが,結果は「ノー」。理由は「VR」が良いんだか悪いんだか「判断できないから」というものだった。確かに当時VRはまだまだ日本での認知はほぼ「ない」という状態だったので,判断できないというのもしょうがない気もした。

何れにせよ「資金」の見込みがなくなったことで,「目標」は「遠い夢」へ格下げとなるとともに,今まで応援してくれていた嫁にも大きな迷惑を更にかけることになってしまった。ここからどん底に向かうことになった(>_<)

マインドの革新で,自己革新を。

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マインドフルネス事業への道 4:沼倉正吾さんとの出会い

「VR瞑想」という方向性が決まったので,あとはもう「行動あるのみ!」ということで,すぐさま事業プランの構築に入った。時代背景,課題認識,瞑想の有効性,VR瞑想であることの意味,アメリカマーケットでの展開方法,事業収支計画などをまとまあげた。

一方,この時2015年12月。2013年12月からVRに集中してきたこともあり,自己資金もそろそろ限界に近づいていたので,資金調達を至急に行う必要があった。藤田保健衛生大学は医薬メーカーからの「丸抱え」体質で,独自のVRシステム構築にすらお金を出す気もなかったため,京都のパノラマニア株式会社代表の二宮さんからサムスンジャパンをご紹介いただいたり,自分のコネで様々な人々にコンタクトを始めた。

その過程で,当時から現在まで日本のVRスタートアップの先頭を走っているDVERSE Inc. CEO/Founderである沼倉正吾さんに「はじめまして」メールから面談をさせていただき,いろいろとアドバイスをいただくとともに,500Startupの日本代表である澤山さんやトーマツベンチャーサポートの西村さんをご紹介いただいた。

この沼倉さんとの出会いが現在の株式会社インナーコーリング設立に繋がっている。以前から変わらぬ自分の習性だが,全く見ず知らずの方にも「これだ」とピンときた時に「すぐに動く」行動様式は,とても重要だと感じている。うまく進むかはわからないが,「話してみないと始まらない」のである。

マインドの革新で,自己革新を。

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マインドフルネス事業への道 3:VR瞑想への気づき

リラクゼーションコンテンツの方向性について思案をしている時に,なんのきっかけもなくいきなり「瞑想は?」というお告げが降りてきた。

ストレスチェックが義務化されたこともあり,ストレス低減への社会の「風」のようなものは少しづづ吹き始めていたので,瞑想とストレス低減との関係性を探ったところ,出るは出るはの打ち止め状態。

厚労省も医療行為としては認めてはいないが「補完代替医療」としてなんとサイトに出しているではないか~。

瞑想 | 海外の情報 | 一般の方へ | 「統合医療」情報発信サイト 厚生労働省 「統合医療」に係る情報発信等推進事業

厚労省のサイトはアメリカのサイトの翻訳であり,スティーブ・ジョブズその他多くの著名人含めアメリカ人の約8%=約1,800万人が瞑想をしている,と書いてある。

何?瞑想はお坊さんがやるもんじゃないのか?アメリカ人が瞑想してるだと?日本じゃ瞑想なんぞさっぱり聞かないし,自分は仏教とか寺には全く興味もないし逆に嫌いなくらいだが,そんなにアメリカに普及しているなら願ったり叶ったり!

加えてVRの一番の特徴である「没入感」は,まさに「瞑想ルーム」にいる最高の瞑想環境になる!

リラクゼーションコンテンツは,「VR瞑想」に絞り込んで進めることにした。

マインドの革新で,自己革新を。

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マインドフルネス事業への道 2:リラクゼーションVR事業の立ち上げ

藤田保健衛生大学との契約も完了し,「リラクゼーションVR」という領域でのビジネスモデルの構築に取り掛かった。海外では入院患者がサムスンのGear VRを使っている例もあることから「治療」ではなく,入院患者の不安解消,暇つぶし的な領域での展開に絞ることにした。「治療」という領域では,厚労省が絡んでくるため,自分でコントロールが出来ないことも「治療」を選択しなかった理由だった。

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思惑としては,病院での利用実績をエビデンスとしてコンテンツ価値を高め,それをコンテンツ化して世界中に販売する,というシンプルなビジネスモデルを選択した。国内向けは全く想定しなかった。元々個人的に「グローバル勝負」を信条にしていたので,逆にグローバルで勝負できるものを本能的に引き寄せたかもしれない。

一方,「リラクゼーション」と銘打ったもののリラクゼーションという言葉がカバーする領域,個人が持つイメージはかなり幅が広く,制作コンセプトも曖昧になる=エッジが効いたコンテンツにならないのでは?という疑問が湧いてきた。

マインドの革新で,自己革新を。

 

マインドフルネス事業への道 1 瞑想VR

2013年の12月にアメリカのImmersive Mediaのプレゼンを受けてから,VRにハマった。正確には「360°動画」に可能性を感じたので,突っ込んだ。

当然アメリカが先行していたので,関連するtwitterアカウントやFacebookページをリスト化して,毎朝4時から最新の情報をチェックしつつ「どの領域でやるべきか」を模索した結果「リラクゼーションVR」が見えてきた。

と同時にパートナー探しも始めて,ラッキーにも名古屋の藤田保健衛生大学とのご縁をいただき,リラクゼーションVRビジネス立ち上げを始めた。

この時2015年5月。

マインドの革新で,自己革新を。

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マインドの革新で,自己革新を。

J-PHONE時代のこと

ふとしたきっかけで,J-PHONE時代のCMをFacebookにアップしたら,バズった(^^)

昔の仲間が動画の元に集い,時を超えて思い出話が出来て嬉しかった。存じ上げない方も沢山シェアしていただき,このCMの「凄み」も再認識!

経営共創基盤の冨山和彦さんとは,その時ご一緒した「戦友」であり,二人にしかわからないいろいろな余韻を持った仕事だった。

20年振りの「大仕事」を前に「20年前の大仕事」をリマインド出来て良かったかも。

マインドの革新で,自己革新を。

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